男がピアノを調律している

そのグランドピアノの上に私は横たわった

ピアノの音が四方八方から集まり四方八方に放射されていく

鋭いナイフのような音は絶妙に私の体をかすめていくのだが不思議と恐怖は感じない

前衛ピアノ「ジョン ケージ」を聞いている時の臨場感に近いといえば分かりやすいかもしれない

 

 

頭上では ダンサーたちが不思議な空間の中で現代舞踏を繰り広げている

 

 

がらんと広い部屋は 中央にピアノが置かれ 少しの音響装置が設置されているだけだ

「愛知トリエンナーレ」納屋橋会場一角に「ボリス シャリマッツ」発案の装置があり

1時間 不思議な空間とお付き合いさせていただきました

暗幕カーテンを張り巡らせた部屋は無音の闇に支配されている

ブランケットが置かれたピアノに上ると部屋のドアは施錠され 私は孤独になった

 

 

まぁ 高い台の上でモニターに上映される現代舞踏を観るだけの話ですけどネ

枕元に置かれたスピーカーから 怪しげなあえぎ声が聞こえた時には ちょっとびびりました

なにせ 仰向けになった無防備な状態ですから

'緊急脱出用'のリモコンボタンを手渡されますが それが不安を かきたてたのでしょうね

 

 

次に立ち寄ったのが大須七ツ寺共同スタジオ

多くの名作が上演されている小劇場ではスクリーン前に置かれたキーボードに観客が言葉を打ち込むのだが

ワードが空中にあらわれテーマが何であるかを知ることができる

お題を与えられた役者たちが影になり演技をはじめる

こちらは二つぐらいお題が出されたところで外に出ました

西陽が私の皮膚を刺しつづけた