愛知トリエンナーレ「情の時代」が愛知県美術館で開催された2019年夏
開催初日に慰安婦像や総和天皇が炎に包まれる映像が問題になり
「表現の不自由展・その後」のブースが3日間で展示中止になった
8月7日 ワタシはルーティーンの街撮りで美術館の2階ロビーで涼んでいた
自販機でお茶を買うときにスマホを家に忘れたことに気づいた
酷暑の風景を眺めながら だだっ広いロビーの奥でぼーっとしていると
自動ドアから三人の’革マル派’がバケツを片手に入ってきた
京都アニメーションの放火事件から数週間しか経っていなかった
ワタシは不謹慎にも これはピューリッツァー賞ものの写真になる!!
そして広角レンズで近づいていった
息を切らして近づくと大劇場に降りる階段を二人が雑巾がけをしている
残りの一人は記録係で動画を撮っている
大劇場のロビーはグッズ販売をしていて大勢の若者が列をなしていた
三人は劇場ロビーに移動して雑巾がけを再開したが 列のほとんどが笑顔で見つめる
8階で開催されているトリエンナーレ展のハプニングと思われたのかもしれない
やっと守衛が駆けつけ「止めなさい 入らないで!」と大きく手を広げて制止する
「誰か110番!警察に電話してください!」と叫んでいる
誰か110番したのだろうか ワタシは無理だスマホを忘れてきている
スマホには’NHKスクープBOX’が入っていてムービーを撮りNHKに送ることができる
美術館とNHKビルはすぐ隣で 連絡通路があるぐらい目と鼻の先だ 1分とかからない
一通り雑巾がけを終えると三人はエレベーターホールに向かい上階のパネルを押した
ワタシも同乗し四人で乗り込むと誰かが8階のボタンを押した
ワタシも無口だが三人は最初から一言もしゃべらない 無駄口はきかない方がいい
チケット売場には目もくれずエントランスを入っていく三人そしてワタシ
このまま展示会場に行ってもワタシは大丈夫だフリーパスポートを持っている
トリエンナーレ展関連のグッズを販売しているフロアの床を再び雑巾がけを始めた
そこに体格のいい職員が不知火型の土俵入りを彷彿させる腰を落とし 大きく両手両足を広げたポーズで
三人の前にたちふさがり 制止しようとしている
一人では侵入を阻止できるわけもなく雑巾がけは以前にもまして激しく行われる
最初の階段を雑巾がけしたときから15分は経っていただろう 警官5.6人が駆けつけた
警官との遣り取りが三人の顔に血を巡らせ活気づけたように思えた
彼らの目的が達せられようとしていたのだろうか
雑巾がけをしていた男がバケツの水を床にぶちまけてしまった
「水をどこかで汲んで来ないと」初めて喋った男の声は真剣そのものだった
しばらくして三人は警官に連行される形でエレベーターに乗り込んだ
ワタシはエスカレーターで二階の階段のところまで戻った
そこでは警察の鑑識が階段や床などで証拠収集などの作業を行っていた
「あなたも犯人の一人か?」「シャツが濡れているじゃないか!」
「汗ですよ!」と汗っかきの説明を声をかけてきた私服警官に話した
警官と上司の二人に 三人の行動をカメラに収めていたデータを提供してほしいと言われ
「警察に協力するのは市民の務め いいですよ」ワタシはいい格好した
若い巡査部長の車で東警察署に向かった
’データを吸い出せば終わりだ’と思うと少し気が楽になった
ことはスンナリと終わることはなかった
ニコンのNEF(RAW)で撮っていてしかもXQDカード
警察署に知識があるはずの鑑識はまだ戻っていない
車で20分ほどのワタシの家まで巡査部長の車で移動することになった
革マル派 中核派 二人とも昔 京王線の仙川に住んでいたこと等を話しながら
移動中 三人がエレベーターの中で警官に水を掛けた暴力行為で逮捕されたことを知らされた
Jpegに現像してDVD3枚に収めたのは夜の帳が下りてからだった
その後「公判が行われるのですが 証拠写真を撮影した安井さんの名前を出す場合があります」
東警察署から電話連絡が入ったが 小市民としては了承するしかありませんでした
小笠原さん 元気ですか~
この年 COVID-19がパンデミックを引き起こすことになる
米 「Day by Day」013に事件の写真を掲載しています(中頃のページ)
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