名古屋の空の玄関が常滑のセントレアに移る以前 小牧の空はジャンボ機が飛び交っていた

名古屋空港といえば 機長の操縦ミスで墜落炎上した中華航空機炎上事故が記憶に残っていますよね

現在はローカル路線と 隣接する航空自衛隊小牧基地を離発着するC130の騒音が往事を忍ばせるくらいです

 

 

ウルトラマンと怪獣が対峙し嵐の予感がする館内は 以前の国際線ターミナルビルを改装した商業施設だ

オイオイ表題のアバターは3D映画で話題になっている「アバター」ではないんかい
それともここでは自分がウルトラマンのアバターになって怪獣とプロレスでもできるんかい

いえいえ そんなことをしたら階下のアピタ専門店街の人たちが埃をかぶるなど えらく迷惑しますよ

隣接するミッドランドシネマに3D「アバター」を観に来たんです

 

 

映写室の入り口で手渡されたメガネ

映画が始まる前に掛けてみると目の前が真っ暗に まるでサングラスから覗いているようだ

そして 普段メガネをしない私の頭を強く締め付けて 映写が始まる前から憂鬱になってくる

立体映像には特に目新しさを感じないが

酔っぱらった町口 忠さんが立体が3Dが「なんだばかやろう」ブツブツ ビールを飲みながら

くだをまいていたことを想い出した

愛知万国博覧会の日立パビリオンでは架空の動物たちとふれあう経験をさせてもらったし

小学生のころ雑誌「冒険王」の付録に赤と青のセロファンの窓がついた立体メガネで漫画を見たことがある

メガネなんぞを掛けなくとも下のシャーロックホームズとワトソンが飛び出してくるような映画がみたいもんだ

 

 

終戦後 多くの芝居小屋が映画館に変わったころから私の映画鑑賞歴ははじまった

今のように上映ごとの入れ替えはなく 娯楽に飢えていた人々の熱気が館内を支配していた

いまでは信じられないことだが 嵐寛寿郎主演「鞍馬天狗」の殺陣中に斬られ役俳優のかつらが飛んでいた

フィルムが貴重なものであり撮り直しをしないまま編集したのだろう

それでも観衆たちは拍手喝采 誰一人文句を言うこともなく一時のカタルシスにひたった

東宝映画「ゴジラ」は子供から大人まで恐怖におののきながらスクリーンの前で釘付けになっていた

もちろん私もです

同じ頃 ディズニーの「砂漠は生きている」アランラッドの「シェーン」が封切りされていました

私が毎週のように通っていた映画館はいつの頃からか洋物ストリップ映画がかかるようになり

映画館通いがルーティーンになっていた私はごく自然に

アメリカ兵御用達のグラマラスな金髪美女たちと仲良くなりました

そのころ 映倫管理委員会いわゆる'映倫'は存在していたものの成人映画という概念はなかったんですよ

でも子供は私だけだったような気がします

 

 

オイまたまた馬鹿なことを言いやがって それでアバターはどうだったんだ !!

はいそうなんですよ

なにせサングラスを掛けて映画は観るもんじゃないと思いましてね

裸眼で観ていましたら画像が二重にふらふら見えますし 時々出てくる字幕も二つ重なって見えます

そう「アバター」は通常版と3D版があって3Dは音声吹き替えなんですね

吹き替えになると5.1Chサラウンドシステムが とたんに臨場音空間を失ってしまうのはなぜ?

この映画が中国内で上映禁止になってしまったなどの話題が持ち上がっている

とは思えないほどのリアリティーのなさで 呆れて途中からサングラスを掛けて観ることにしました

確かに手前の人物と奥行きのある背景がくっきりと際だち立体感を得られるものの

それと引き替えに目の前のスクリーンから遠のいていく客感的な目を持つ自分自身がいました

へそ曲がりだと思われるかもしれませんが 展開が進むにしたがって

それはますます強く思うようになりました

グレイス博士役で出演しているシガニー・ウイーバーがエイリアン2で身につけて戦ったパワーローダーは

AMPスーツに生まれ変わりそれを身につけたマイルズ大佐が主人公のジェイクと戦うことになる

まぁ両方ともにキャメロン監督がメガフォンを持った映画だから これは分かりますよ

でもね

主人公のジェイクが人間とナヴィを行き来する様子は 映画「マトリックス」の母体装置そのものだし

この映画のエッセンスは 私が今まで観てきた映画のなかに既に存在していたものばかり

映画「アバター」は先住民問題などをテーマにしていた東宝映画「モスラ」と思えば分かりやすいですよ

ザ・ ピーナッツが出演していないだけです

しかし「 モスラ」「ザ・ピーナッツ」を知っている人 どれほどいますかネ

 

 

私が映画に求めるもの

ひとときの現実回避

それなら「アバター」ピッタリだろう